七転び八起き

ハロプロと、恋人のキツネさんとの同性同士の同棲生活。

芸能人のLGBTへの対応の仕方あれこれに思うこと

宇多田ちゃんが好きになってしまいそう

 このところ、椎名林檎ちゃんと「二時間だけのバカンス」という曲で大変百合百合しいPVを公開してくれたり、「ともだち」という曲が同性愛者が異性愛者の友達に恋をしてしまった心情を歌う曲だということで話題になったりしている宇多田ヒカルさん。「ともだち」についてTwitterでこんなやり取りをしていたらしい。

くぅ〜!この返し!めっちゃかっこいい!好きになっちゃう!

「どうしてわたしをストレートだと思ったの?」って、こういう場面、現実によく起こります。

なんにも言わなければ異性愛者として扱われる世界の中で、常に「わたしの性的指向は◯◯です」って旗を掲げて生きるわけにもいかず、多くのLGBTQがあいまいに濁して日常生活を送っています。それに、特にわたしはバイセクシュアルとして、自分が万一結婚でもしたら、過去に女の子を好きだった気持ちが人から見えなくなってしまうことについて、ずっとモヤモヤとした気持ちを抱えていたんです。

でも、こんなに軽やかに、日頃反論したいけどできないモヤモヤを拭い去るような発言をできてしまう彼女に、なんだか元気をもらいました。

しかし何度思い返しても、「わたしは確かにゲイじゃないけど」とか「わたしの性的指向は◯◯だけど」とかって言い方をせずにお返事してくれているのが見事。

 

で、このところ影響力の大きい芸能人がセクマイについてどう語るのか?っていうことについてしばらく考えていたので、まとまるかわからないけれど文章にしてみたいと思います。

 

「ホモ」という総称

「ホモ」「レズ」っていう総称が、蔑称だという認識って一般のひとのなかにどのくらい浸透してるんでしょう。もはや自分のセクシャリティを自覚してからかなり長いので、よくわからなくなってるんですが。

 感度の高い腐女子界隈は、一時期論争もあったのできっとご存知でしょう。でも自分の母や父や同僚を思うと、知らないかもなぁと思ったりもします。

ビアンタレントのまきむぅさんの記事で昔見たのですけど、「ホモ」「レズ」って言い方がなぜダメなのか?っていう記事で、そういった用語を当事者や疑わしいと見える人に投げつけてからかう文化って昔からあって、そうやっていじめられた人たちが脊髄反射レベルで「ホモ」って言葉にビクッとしてしまうから、って解説されていたのがわたしはわりとしっくりきています。基本はわたしもあまり使いません。(たまに腐女子的文脈で出ちゃってあとから自己反省したりもしますけど)

作品中ではどうか?これは場合によりけりだと思います。「ホモ」「レズ」を「ゲイ」「ビアン」に置き換えたら作品が成立しない場合もあります。でも、使わなくてもいいんだったら使わないようにしたら?とは思います。

一番わたしが悩むのが、「ホモ」って表現する方がキャッチーで面白く聞こえてしまって、その方が売れるだろうと思われるような場合や、原作がメディアミックスで展開されてく過程で最初にそういう表現を使った売り方をしてしまったがために後続作品もそうせざるを得ない場合。

好きな作品には、やっぱり売れて欲しいんです。そう表現することで、面白そうって思って手を伸ばしてくれる人や、腐女子を取り込みやすくなるかもしれない。

でも、「ホモ」って響きの方がしっくりくるからっていう意図でその言葉を使う裏には、やっぱりほんの少し「普通とは違う人」「変な人」って思ってしまう心が隠れているような気がするんです。それに気づいてしまうと、少しだけ、残念な気持ちになるんです。

 

「自分はホモじゃない」発言に対する複雑な思い

もう一つ、複雑な気持ちになる事例。

わたしのとても好きな俳優さんが番宣かなにかで、「俺はホモじゃないけど」って軽い感じで前置きした上で抱負を語るシーンを見たことがあって、すごく複雑な気持ちになりました。彼は決して悪気あってそれを発言したわけじゃないのがわかる、淡々とした文脈でしたが、それでも、その発言の中に「俺がゲイだって思われたくない」って心が無意識のうちに少しだけ入っていなかったかと、ついつい裏読みをしてしまいます。きっと素朴に、自分と違う境遇の役に対しての距離感をあらわす言葉だったと思うんですけどね。

でも、そのとき隣にいた俳優さんは、なにも言わずにその場にいてくれて。それで救われた気がしました。 こういう文脈で「俺はゲイじゃない」って言ったあとに、「ほんとに〜!?」みたいな絡みをするシーンをバラエティでも日常でも良く見るから。

 

まとめ

まとめを書きたいのだけど全くもってまとまらない(汗)

うーん、つまり、多くの人目に触れる人や、わたしみたいな小市民であってもブログを書いてたりSNSをする人は、自分の言葉が人を傷つける可能性をちょっとだけ、考えてみて欲しいと思うんです。そして、日本にいるとそういうこと、指摘することで「俺までゲイだと思われたらどうしよう」みたいなの、あると思いますし、同調性を大事にする社会だから難しいことだと思うんですけれど、気づいたら指摘できるような人が増えたらいい。そしてわたしも、そうでありたい。(とか言いつつ作品名挙げずに匿名でこんなところに書いている後ろめたさはあります。好きだからこそ難しい…)

で、宇多田ちゃんみたいな、相手の隠された固定観念を指摘するような、粋ないいかたのできる芸能人がたくさん増えてくれたら、それは随分元気づけられることだろうなぁと思っています。海外の俳優さんだと結構いる印象なんですけどね、そういう人。