七転び八起き

ハロプロと、恋人のキツネさんとの同性同士の同棲生活。

LGBTのBが家を買った体験記 ②

こちらの続きの記事です。前の記事ではステキな家に出会ってしまい、決意したところまでを書きました。

不動産屋さんにもさらっとカミングアウトして(相手もほんとにさらっと「そうなんですか」くらいの反応だった)、キツネさんと2人で物件を見に行った後、本格的にその物件を購入する手続きに入りました。
ちなみに、購入した家以外にも色んな物件の図面を取り寄せて見てはみたんです。でも、図面上ですら今の家以上にわたしたちにピッタリあう物件はありませんでした。結局他の家の内見も1件も行かず…。 今の家に住むことはきっと運命だったのだと思います。


しかし、物件購入の手続きは当然ながら人生ではじめての事だったので不安がいっぱい。後から振り返ってみて、なかなかにストレスフルな期間だったなと思いました。(特にお金の面の心配が…)

 

家を買うと決めた直後の動き

家を買うと決めた直後、行ったのはこんなこと。

  1. 物件購入の申込み
  2. ローンの仮審査
  3. 源泉徴収票など必要書類の提出

賃貸と同じで、購入の場合も「申込み」というものがあります。
これをさきにやっておくと、他の人が「家を買いたいです」と言ってきてもいったん押さえられるんですね。
それと同時に、今の収入のわかる源泉徴収票や各種証明書を提出して、ローンの仮審査を行いました。
仮審査の結果が出るまでの期間は、大体2週間くらいだったでしょうか。わたしの場合は、不動産屋さんに丸投げでお任せしてしまって、何行かの分を同時に審査を出しました。正直言って年収は今の物件を買うためのぎりぎりの金額でした。2行は審査を落ちて、1行すでに口座を持っていた銀行でOKが出ました。口座を持っている銀行であれば、審査が通りやすかったり少し金利が安くなったりするらしいですね。
ただ、仮審査では「諸経費」分を借りる前提で出していたのですが 、この「諸経費分は貸せない」という条件付きでした。


お金が足りない!

「諸経費」とは、不動産会社さんや不動産登記(持ち主の証明書的なものを作ること)を行う司法書士さんに支払うお金、火災保険の費用などのことです。不動産会社が出してきた見積書では、200万弱くらいの金額でした。
わたしはあまり貯金がなく、一般的な結婚している夫婦のように少し実家にお金を出してもらうという選択肢もありませんでした。 実家には秘密裏に、家を買うことを決めてすすめていたので…。
しかし、キツネさんがしっかり貯金できるタイプだったのが、本当にありがたかったです。足りない分の大半をキツネさんに借りることができました。(お金を「出してもらう」だと贈与税的がかかる可能性があると不動産屋さんが仰っていたので…。)
さらに、諸経費部分で少しでも節約できる部分はないかと、ローンの代行手続き費用について、「本審査は自分で行うからこの分なくせませんか」と不動産会社に伝えたところ、なんと手続きは不動産屋さんにお願いしたまま、その分の費用を安くしてくださったので す。
物件自体の費用や不動産屋さんの仲介手数料自体を値切るようなことをしなかったのがよかったのか、そのほかにもかなり便宜をはかってくださいました。
諸経費分は分割して、手続き時とローンの実行時に支払うのですが 、売り主さんの都合で物件の引き渡しが申込みからすぐではなかったので、ローンの実行時に支払う分はわたしのボ ーナスの一部や月々の切り詰めたお金を詰め込んで、なんとか諸経費分を用意することができました。

 

申込をしてから実際に家を買うまでの期間は短い方が良い

いやーしかし、お金がちゃんとあるのであれば、そして、売り主さんの都合が許すのならば、申込みをしてから実際に家を買うまでの期間は短いに超したことはないと思います。この期間、 本当に長く感じましたし、胃が痛くなりました…。
キツネさんがまた心配性なもので「どうしよう、こんなにいろいろ便宜を図ってくれたけど、不動産屋さんが詐欺師だったら…」 とか「売り主さんの気が変わったらどうしよう…」とか「地主さんに気に入られなかったらどうしよう…」なんて言ってくるんです。それを聞いてわたしも不安になっていろいろ調べて「大丈夫」 な証拠を探そうとしたりもして。
自分たちが同性パートナーだと近所の人には言わないつもりでしたが、もしそれがばれてしまって意地悪をされたりしたらどうしようなんて妄想もしました。都内の物件なので、お隣さんが物理的に近いので。暮らしてみれば、そんなのは杞憂で優しいご近所さんばかりだったので本当によかったですが…。(引っ越しのご挨拶でも特に関係性について聞かれることはありませんでした)
申込みから引き渡しまでの期間は、長い方が引っ越しの準備もゆっくり進められるしいいかなと思ってしまいがちだと思いますが、 期間短く、さくっと済ませた方が絶対いいです。 とくに心配性な方には、そのほうがおすすめです。


建物部分は買い、土地は借りるという選択

30代女性でものすごくお給料がよいわけではないわたしでも都内に家を買えたのは、やはり土地付き物件ではなかったということが大きいと思います。土地を買うことにこだわっていたら、おそらくあと2000万円くらい追加費用が必要となってローンが組めなかったと思います。
月々の地代は、通常1万円~3万円程度らしいのですが、ローンの返済+土地代の金額がこれまで住んでいた家の家賃とほぼ同額だったので、購入に踏み切ったんですよね。
土地の持ち主が代替わりをするときや周囲の土地の価格が上がると きに、地代が上がるリスクもあるようですが、今回はそこには目をつぶりました。
いずれ別の家に住み替える可能性がある方や、土地も含めて家を子 供に相続したいという強い想いがある方以外の方なら、土地がついていない家を安く買うということも選択肢として十分アリだと思います。

 

生命保険と火災保険について知る

家を買うときに必ず必要になるのが火災保険。
家が火災、地震、水害などで壊れた場合の費用を貯めておくのってかなり大変なので、火災保険に入る必要があります。
何がいいのか全くわからなかったので、不動産屋さんが主催のセミナーに行って、まとめて見積をとりました。
その結果、我が家はセコム損害保険に決定。
正直保証の内容はあんまり各社大きく変わらないんですよね。
でも、女性二人住まいでは防犯面も心配だったので、ホームセキュリティに加入するとお安くなるというセコム損害保険を選んだんです。ちなみにホームセキュリティは初期費用(レンタル機器の取り 付け)が2万円くらい、月々3000円くらいなので、思ったより大きな負担じゃなかったのも決め手になりました。

それから、併せて生命保険も見直しました。これは、万一ローンを組んだ人が亡くなったときに、ローンの残りの費用を銀行が補填してくれるという銀行が紹介している保険に入る必要があったので、 これを機に今まで入っていた保険に足りてないものがあればオプションで追加したり、重なっているものがあれば削ったりしたいと思ったからです。
結果、改めて保険周りのことがしっかり理解できて、全体の整理もできてよかったな、と思いました。保険のお兄さんに、長年住んでいると家の修繕費なども必要となるのでそういう目的で積立型の保険に加入される方もいますよ、と聞いたのは目から鱗。たしかに自動的に引き落としされて手を付けられないお金って必要だよなーと思いました。老後資金も必要だし。
あとは、今回ローン関係の他にもう1本生命保険に入ったのですが 、受取人をパートナーに設定できたのがとてもよかったな、と思いました。またこの話は別稿で書きたいです。以前生命保険の加入を検討していた5年前とはかなり状況が変わったなーと感慨深く思いました。

 

今日はここまで。家を買うところまで追いつかなかった…。次の記事ではいよいよローンの本審査から引き渡しまでのことについて書きます。この直前期1ヶ月は本当に大変でした…。

 

続く