七転び八起き

ハロプロと、恋人のキツネさんとの同性同士の同棲生活。

私の中の学歴至上主義と大企業志向

転職活動中戦っていた、「大企業に入るなら最後のチャンスかも」の声


私は国立大出身で、親にも友人にも先生にも、「なんでそんな会社入るの」と言われながら、理系からの文系就職をした人間だ。
経験した会社はどちらもベンチャー。(スタートアップではないので、単に中小企業といった方がイメージは近いかも)

それなりにバリバリ仕事をしてきたと思う
最近友人の結婚式やら何やらが増えてきて、久しぶりに昔の友人と会うと、友人たちが大企業で働きながらつまらなそうな顔をして「仕事面白いなんて思ったことない」と言う中、私はずいぶんと面白く仕事をしてきて、どこに行っても食っていける自信もついた。
馬鹿みたいだけど、そんな友人たちに、優越感を感じることもあった。

でも一方で、偏差値至上主義、大企業万歳の価値観をものすごく内面化していて、彼らをとても羨んでいる。

だって、これまで勤めてきた会社でも、こんな話ばっかり聞いてきた。

「やっぱり大企業にいる人は違うよな。ちゃんとしてるよ」
「この会社、名前聞いたことない。もしかしたらイマイチな人かもね」
「やっぱり大企業はいいよ。安定してるし、福利厚生もあるし、生涯年収はやっぱり大企業の方が多いし。恵まれてるよね」

実を言うと最初からベンチャー志向だったわけではない。最初の就活では、大企業もいくつも受けて、いくつも落ちていた。

うまくいかない就職活動に悩んで、城繁幸さんの「なぜ若者は三年で辞めるのか」「三年で辞める若者はどこへ行ったのか」を読んで、企業名よりも実力、早く自立したいから入社段階でたくさんお給料もらえる仕事、転勤なんて嫌だけどバリバリ働きたい、だから中小でもいいんだ、とシフトしていった。

それでも、ちゃんとした大学を普通に卒業したのに、なんで!?やっぱり粘って大企業入っておけばよかった…。そう思わなかったといえば嘘になる。

だからこそ、今回の転職はとても悩んだ。二十代最後の年だ。わかりやすいブランドの大企業に入れる、最後のチャンスかもしれないという声が、いつまでも私の頭の中にこびりついて離れなかった。

中小企業にいると学歴もそれなりに見られるのではという嫌な思い込み

業界では有名であったり、顧客にはとてつもない評価をされている会社であっても、誰も社名を知らない会社で働くことの傷つきもあった。
周りの人は確実に、社名を聞いて、「すごいねー!」って勝手に判断を下す。

私だってそりゃ「すごいねー!」って言われたい。
偏差値で評価される時代、それなりの成績を取れてて、それなりの学校に行って、「すごいねー!」って言われ慣れてたから、余計にそうだったと思う。

人に仕事の説明をする時、結構ニッチなところで仕事をしてる会社だから、聞いてる方は「ふーん」とわかったようなわからないような顔をする。

それを見ながら、聞いたことない会社だから学歴や中身もそれなりなんじゃないかと思われたのではと身構える。なんだか会社名を言うのが恥ずかしく思われてくる。
出身大学を知ってる方だった場合、「ああ、いい大学行ってもオチコボレたんだって思われてるのかな」とかって思う。
そんな風に、仕事の説明をするたび被害妄想の沼に沈み始める。

選べる将来の仕事の選択肢も少ないように思えてくる。例えば、大企業から大企業、大企業から中小企業は行けても、中小から大企業はなかなかないよなぁ、とか。研修講師や本の著者は、ブランドもそれなりに大事だからなれないよな、とか。
(実はよくよく観察すると、そうとも限らないんだけど)

でも、そんなことを思ってしまうのは、中小企業で働く人たちや、立ち上げた社長さんたちや、一緒に働いてる仲間や、その他いろんな人たちを馬鹿にしてないか?って思う。自分が学歴や企業規模に関する差別意思丸出しの、すごく嫌な人間のように思えてきて、それにまた落ち込む。

プライドなんか捨てちまえ。何より大切なのは私が幸せでいることだ。

でも結局、私が入社することを決めた会社は、やっぱりニッチなところで頑張ってる、人が名前を聞いてもわからないような会社だった。

思い返せば、私が一番嫌だったのは、自分の意思に関係ない転勤と、実力がつくのに時間がかかって自分の人生の決定権をいつまでたっても持てない状態になることだった。
今までの選択の結果、どちらも回避できている。

そして、なんだかんだ、名前は知られてなくても、ちょっと変わってて、面白いことしてる会社が好きなのだ。
幸いなことに、とても興味のある業界の仕事だったし。

あとは労務周りだけちゃんとしてる会社なら、それでいい。いや、それがいい。

結局のところ、学歴とか企業規模とか、私が幸せならどーでもいいやってところに落ち着いた。みんなそう。大企業だって中小企業だってフリーランスだって、学歴あったってなくたって、大事なことは自分で自分の人生を選びとって、それに満足できていることだと思った。

そんなわけで、来月からまた新しい仕事が始まります。無理せず、でもやれる限り、頑張ろう。