七転び八起き

ハロプロと、恋人のキツネさんとの同性同士の同棲生活。

舞台マリーゴールド感想(眠らせていた感想を発掘+はじめての繭期2020)

はじめての繭期2020でマリーゴールドを見たよ

このまえはじめての繭期2020でマリーゴールドを見た。リアルに公演を見に行ってから、2回目の観賞。見てから思い出した。「そうだ、なんでDVD買わなかったんだっけと思ってたけど、しんどすぎて家に置いておく気しなかったからだった」と。

改めて見て思いましたけどただただつらいだけの話ですね、これ。本当に辛い。でもなんで美しいって思っちゃうんだろうなあ。ものすごい作品なので、わたしは家にDVDを置いておきたくないけどひとには勧めます。TRUMPシリーズ見始めた方、是非マリーゴールドを見てください。

ちなみに余談だけど本日フォロワーさんでTRUMPシリーズ未経験の方と一緒にLILIUMを見た。なんか結構もう感覚が麻痺してて「LILIUMはそんなひどくない」って思っていたけどあれはあれでひどい話でした。ただただつらい。でもまだ、前半のあかるさと、「ここからあとに続く話がある」というところに救いがある気がする。というわけでLILIUMもみんな見ましょう。 

(マリゴはなぜか埋め込めるDVDのリンクがみつけられなかったのでアマゾンなどで検索してください!)

 

ちなみにご存知のブログ読者さんも多いと思いますが今はLILIUMの時チェリー役だった、モーニング娘。の石田亜佑美ちゃんを爆推ししています。よかったらあゆみちゃんと今のモーニング娘。についても知ってください。可愛くてかっこよくて強くて演技うまくて本当に最高なので。 

 

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そんなわけでここしばらくTRUMPシリーズを見返す機会に恵まれたのだけれど、ふと過去のブログを見ていたところ、私はマリーゴールドの観劇記録を書きさしにして、下書きにいれてそのまま放置していたらしいということに気づいた。なので、過去記事を供養のつもりでそのまま掲載しておきます。

 

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TRUMPシリーズ最新作、マリーゴールドを観てきました

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わたしが舞台沼に本格的にはまり込むことになったきっかけは、D2版TRUMPシリーズのマーブル公演を観に行ったことだった。幸せなことに、それ以来、TRUMPシリーズは全て生で観劇することができています。

TRUMPシリーズはわたしの人生に少なからぬ影響を与えていて、D2版TRUMPを観たからこそいろんな舞台作品を観に行くことに一歩踏み出せたし、LILIUMを観に行ったから今のわたしの生きがいでもあるモーニング娘。に出会えた。

だからこそ、今作、マリーゴールドはわたしの中で何重にも特別な存在。

  • 「最初に見たTRUMPシリーズ」の時にソフィー役を三津谷さんが演じていて、今回もソフィー役としてキャスティングされていること。
  • LILIUMでマリーゴールド役を演じていて、アイドル時代はアンジュルムの中で一番好きだっためいめいが、主演であること。(卒コンも観に行った。)
  • 大好きなTRUMPシリーズの最新作であること。

これだけの「特別」が重なる。期待しないわけない。

でも、舞台作品って常に自分に合うわけじゃない。作り手も受け手も、どちらも変化するものだから。そして、直前まで公私ともに忙しかったこともあって、当日まであまり考えないようにしていた。

 

でも、やっぱり最高だった。

 

観劇してすぐ、本当に最高のキャストで最高の製作陣で、最高の出来栄えだと思った。だからスタンディングオベーションしはじめた人がいた時、すぐに立ち上がってそれにならいたかった。

でも、できなかった。号泣していたから。

こんな風にべっちゃべちゃに泣きながらカーテンコールを迎えるのは人生て初めて。周りの人も多分同じで、5回くらいカーテンコールやるまで拍手が鳴り止まなくて、ようやく最後にスタンディングオベーションで感謝を伝えることができた。そのくらいの、極上の絶望だった。

 

つらい…つらすぎる……

もうね、後半「つらい」「ひどい」という二つの単語に頭が支配されてた……。なんてひどいやつなんだ末満さんは…。でもお話が面白すぎてつらいけど惹かれてしまう……。

 

つらい理由3つ

わたしがつらいと思った理由を敢えて3つに絞って言語化してみる。ほんとはつらいところ山ほどあるけど。

 

①マリーゴールドが愛された子だったこと

LILIUMでのマリーゴールドは、自分の母に酷い言葉を投げかけられて、誰からも忌み嫌われた子だった、というのがずっと頭にあった。だから、最初彼女が登場した時、厳格で冷たい母で自分の理想ではない子を渋々育てているんだろうか、と一瞬思った。

でもすぐにその誤解は解けた。いつもアナベルは本当にためらいなく真っ直ぐにガーベラを抱きしめるし、真っ直ぐにその存在を肯定していた。だから、なにかの間違いじゃないのか、って思いながらずっと観ていて。

ずっと屋敷の中で守られて育ってきたガーベラがソフィーに家から連れ出され、心ない街の人たちに石をなげられたとき、アナベルが駆けつけて強くガーベラを抱きしめるシーンがとても好き。あのシーン、後ろからやってくるアナベルの差し伸ばされた手が光を浴びているように見えた。最高の演出。絵画的な、とても美しいシーン。あのシーンが一番好きかもしれない。

でも、間違いじゃなかった…。アナベルは、最終的にダンピールに「転化」し、ソフィーにイニシアチブを奪われて、ガーベラに自ら酷い言葉を投げかけ、殺そうとする。アナベルが一度死ぬシーン、それだけでも辛かったのにもっともっと辛いシーンが後に待っていた…。ラストシーンではもうずっと泣いていた…。また最後の最後の、アナベルがガーベラに刺されたあとの「優しい子ね」の言葉…。最後の最後まで、アナベルはガーベラを肯定し続けたし愛し続けた…。でも、ガーベラには、その前に言われた自分への否定の言葉と混乱だけが残ってしまうのかと思うと、もうつらくてつらくて…。今も思い出して泣きそう。(リリウムの時のマリーゴールドはどの程度記憶残ってるんだろうか……。)

アナベルが、酷い母だったらこんなにはつらくならなかったと思う。

 

②全員悪い人じゃないこと

出てくる人は、全員「悪い人」ではない。

登場人物は、憎しみや嫉妬やエゴや保身…、醜くて暗い感情を沢山見せてくる。今回、ヴァンプの世界じゃなくて人間の世界にフォーカスされていたから余計になのかもしれないけど、悪い意味で人間らしい面がいっぱい表現されている。

それでも、憎しみの背景にあるのは家族や他人への愛。自分の行いを悔いたり人に影響されたりして、行動を変える。(わたしは末満さんの描く人物のそういうリアリティが好きだ。)

でもそれがゆえに、つらい……。

コリウスくんも、アナベルに近づいた理由も下衆だし、愛情が歪だし偏見丸出しだし、アナベルとガーベラを引き剥がそうとする。でも最後は二人を守って死ぬ。そういうとことかさ。めっちゃクズだけどヘンルーダも別に「悪」ではない気がする。いやもうめっちゃクズだけど……。あそこでこういう行動していたらアナベルとヘンルーダとマリーゴールドは幸せになれたんじゃないかとかめちゃめちゃ考えてしまう。

 

③ソフィーの孤独

ソフィーはあのクランの仕組みを作ってしまったからキャメリアや紫蘭ら竜胆が本気で付き従ってくれていても疑わざるを得ない。物理的に永遠を一緒に過ごせる仲間を作っても心はさみしいまま。でもやめられない。ソフィーがバッドトリップするシーンをみて、ソフィーはなんでこんなことになってしまったのかとシリーズ1作目のTRUMPを思い返して遠い目になった。

私がはじめてTRUMPシリーズを見たのが三津谷さん主演のバージョンで、私の中のソフィーは三津谷さんだから、もうもうもう余計につらかった。なんかさ、D2版のビジュアルのみんなの幻影みたいのが星の轍をウルが歌うときに出てくるしさ。みんな…みんないってしまったんだな…とあそこだけはソフィーに感情移入しながら見た。あのとき舞台にたっていたD2の子たちのうち何人かがもう芸能界を引退してしまって、D2の舞台もほとんどなくなって、あの頃のあの形はもうないんだ、みたいなのも重なってきて。とにかくしんどかった。

みんなD2版を見てくれ。TとRどっちも見てくれ。おすすめです。

(三津谷さんがソフィーなのはREVERSEだよ。ちなみに私が舞台で見たのはTとRシャッフルのマーブル公演というやつだよ。なので私の中では陳内クラウス三津谷ソフィーというその後も続くマーブルの布陣がTRUMPなのでその後その二人がキャスティングされ続けていてうれしい。ちなみにアンジェリコ様は志尊淳くんのが一番好き。山本匠馬さんのも好きだけど。) 

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以上。

ちょっと書き途中だった文章を書き足したりしたけどほとんどそのまま。 最後に、このまえはじ繭で見たときのキャストさんに関する感想を付け足して終わろうと思う。

  • 宝塚組の二人が歌うますぎるし見た目にも美麗すぎるしほんと大好き。あの豪華なお衣装がとても似合う。アナベルほんと高貴で孤高で素敵。でも実はほんとに愛に生きる女だってところもよい。エリカは一番人間らしくて素敵。噛まれた後のネグリジェみたいなお衣装好き。愛加あゆさん、いろんな舞台でちょこちょこお見かけするけどどれを見てもキャラが強くて好きです。特に好きなのは「デパート!」の愛加さんです。 
  • そのめっちゃ歌うま姉妹にさらに吉野さん加わったらもう怖いものないっていうか、ほんと吉野さん声がよい。実は冒頭少し見られなくて途中からだったんだけどヘンルーダの出てくるシーンだったので、「声がいい!!!」となりました。吉野さん私の中ではかっこいいひとカテゴリなのに、ヘンルーダはなんかかっこいい系の役ではなかったので見た当時ちょっとだけがっかりしたり「吉野圭吾の無駄遣い!!!」と思ったりしたことをよく覚えている。しかしほんとうにヘンルーダはクズ。なかなか類をみないクズ。フラ家はほんと、なかなか大変な感じの人が多くて大変ですね……(語彙力)
  • そのうえ東さんですよ。とんちゃんほんと踊りも歌もうまくなったし演技も……と感無量でした。おたくでもないのに厚かましくてすまんという感じなのだけど離れたところから見ているからこそ感じる成長もあるということで許してほしい。あの性格と性癖がねじまがってそうな眼鏡をよく演じきったなと思いました。
  • ねえそのうえにハロプロを卒業してからさらに歌のうまさに磨きのかかっためいめいですよ!!!!!歌が上手い人しかいない!!!!!!めいめい演技上手いし歌もうまいしかわいいしまじなんでもできる!!!!!スタンディングオベーション!!!!!そしてめいめいみたいなかわいいこに猿轡?噛みつき防止のやつ??をつけさせた衣装さんすごいやばい。やめてそういうの。性癖が。いろんな人がめいめいをそういう目でみちゃうからやめてほしい(モンペ)
  • そして三津谷さん。みっちゃん本当に動きが好き。なめらかで妖しくて、ソフィーのイメージそのもの。特に戦っている時の姿や、ゆらり、ふらり、みたいな動きが本当に好きです。星の轍をウルに歌ってもらっている時の涙ぐんだお顔、胸を鷲掴みにされました。みっちゃんすごい。工藤遥さんのソフィーに演技を寄せたという逸話も好き。
  • しかしソフィーとウルはほんとうにしんどい。キャメリアをウルと思わせるお人形さんごっこ、それをやればやるほどにソフィーの孤独は深まるにきまっているのに。だってどこからどこまで自分がイニシアチブで従わせているから出てくる言葉なのかなんか、わからなくなるじゃない。ほんとうにソフィーは……つらい……。
  • でも、キツネさんとも話していたのですが、世の中には「ソフィーかわいそう派とソフィー絶対に許さないひどい死に方してほしい派」がいると思う、と。私は断然後者。かわいそうだなとは思うけれど、やらかしがあまりにもひどい。ひどいよ……。あんな愛し合った親子をあんなふうに引き裂かなくたっていいじゃないか、と思った。あとから末満さんがイニシアチブ取られた後のアナベルは全て完璧にソフィーに操られてるって言ってたし。ほんとまじひどい。ふるまいが少しTRUMPに似てきている気がする。彼があんなに嫌っているTRUMPと。自分の寂しさに人を無理やりに巻き込もうとするのは、いかん。(TRUMPとの違いももちろんいろいろと認識はしている。たとえばTRUMPは自ら人の心や運命をぐちゃぐちゃに弄ぶようなことはほとんどやらないし。燃やしたりはするけど。ひとの心の動きや悲劇には関心がないし。)

 

こんなところかな。でもとにかくほんと、ひどい話だった。なにも救われない。LILIUMでのマリーゴールドを、思い返してしまった。マリーゴールドは、ソフィーにとても似ているって、お互いに思っているけど、でも、結果的に真逆になってしまった。おなじように永遠を拒絶するけど、最終的に開放されるマリーゴールドと、永遠を生きるしかないソフィー……。「かわいそう」ってマリーゴールドは、どんな気持ちにソフィーに向かって言ったんだろうな……。

 

そんなわけで、以上でした。みんな、TRUMPシリーズを見よう。シリーズをひとつ見れば見るほどつらいけど、見れば見るほど「人間」が見えてくるようなシリーズだと思います。