ファラオの墓〜蛇王スネフェル〜 観てきたよ
今年も劇女(モーニング娘。'18)観てきました
今年も劇女、観てきましたよ〜!!!毎年6月の楽しみ、モーニング娘。さんたちの演劇です。わたしはLILIUMから入ったクチで元が舞台畑のオタクなので、毎年とても楽しみにしています。それが故に舞台ヲタ目線で厳しめになっちゃうこともあるけどね!
(昨年の厳しめ感想とあゆみちゃんの女になった感想↓)
ここからネタバレしますので、気になる方は観劇もしくはDVD鑑賞後に読んでくださいね。
去年より断然お話が良くなってた
去年はブログ冒頭で、
どんなにキャストが良くて、頑張ってても、演出と脚本が合わなかったら「良かった」とは言えない!!(ごめんね…みんな…)
とはっきりと主張させていただきましたが、今年は脚本も演出も随分と良くなってたと思います!!原作寄りで、もやっとするシーンが少なかったです。
アンケスエンとサリオキスの恋についてはガッツリと削られていましたけれど、その分スネフェルとメリエト皇太后やナイルとの関係にしっかりと時間を割いたことで、「蛇王スネフェル」の副題にふさわしい内容になっていたと思います。
昨年はね、スネフェル様がほんとに傀儡の無能な王に見えてしまっていたの。例えばスネフェル様が結婚を宣言する前のシーン。ただナイルとの逢瀬を思い出してぽや〜っとしてて、大臣たちの話を聞いていなかったように見えた。でも今回は、もちろんナイルにべた惚れ感は残しつつも、「民を幸せにする」というスネフェルの決意とともに結婚の話が語られて、恋によってスネフェルが変わったんだ、両親の温もりを感じずに育ち歪んでいったあのスネフェルが、と心を動かされた。
あと、昨年最大のもやっとポイントだった、アンケスエン様の最期問題。これも、サリオキスとの恋の場面を削ったことで無理にアンケスエンを劇中で死なせず、原作アンケスエンの気高さのエッセンスを更に取り入れてくれて、よかったと思う。(何度も言うけれども去年も演者は良かった。去年のふくちゃんアンケスエンの、貴族らしい落ち着いた雰囲気とスネフェルに対する皮肉屋感が大好きだった。)たった二時間の中で、あの壮大な原作のどの部分を取り入れるかという意味で、良い選択だったと思います。あんまり余計なことに惑わされず、スネフェル様の美しくもつらい物語に浸りきることができました。ほんとスネフェル様かわいそう…。ナイルと幸せになってほしかった…。
曲も整理・追加されてよりよくなっていましたね!一個だけ、楽しみにしてたイザイの復讐するシーンの曲がなくなってたのは残念でしたが、また別のところでちぇるちゃんの圧倒的歌唱力が楽しめたのでよし。
スネフェルあゆみちゃんを褒め称えたい
実は最近ちょっとあゆみちゃん熱を拗らせすぎてあんまり語りたくないんです。大事すぎてわたしの胸のうちだけで留めておきたいし言語化できない想いもいっぱいある。でも、頑張ってあゆみちゃんスネフェル様の素晴らしさについて言語化してみます。もしかしたらあゆみちゃんも観てくれるかもしれないし!(あゆみちゃんは謙虚な子だけどちゃんと賞賛を受け取ってすくすくと育ってほしいと思ってる。)
素晴らしかった。本当に凄かったです。
あゆみちゃんは今年はファラオの墓再演で昨年と同じ役、さらにタイトルにもあるようにスネフェルの側を深掘りする内容です。ダブル主演でもないし。きっとね、すごく重圧があったと思うんですよ。
でもね、想像を超えてきました。彼女は。あゆみちゃんのそういうところ、とても尊敬する。
インタビューであゆみちゃんは「原作を読んで感じたスネフェルの美しさを取り入れていきたい」と語っていたけれども、本当に美しかった。顔や髪の毛の感じもね、もちろんそうなんだけど。指先の使い方とか歩き方とか。去年よりもずっと洗練されていて、線の細い青年王感を感じました。
そして、舞台上のたたずまい。劇女を見てると、演技経験が浅くて本業ではない彼女たちは、時に棒立ちに近い状態になる子もどうしてもいて。仕草が似たようなものばっかりになってしまったりね。でも、あゆみちゃんは違った。本当にスネフェルとして、そこに存在していた。椅子に座る、立つ、目線を動かす、詰め寄る、爪を噛む、椅子の上で背を丸める、睨みつける、せせら笑う……。自分が台詞を喋っていない時でも常にスネフェルとしてそこにあった。
わりと彼女、演技が濃ゆいほうだなと前は思っていたんですけど、今回のスネフェル様は力が入りすぎてないというか、自然で。とても良かったです。
歌もねーーーーとても良かったんだーーー。スネフェル様が最初にひとりで歌う歌で、うるうるしてしまった。泣くシーンでもないのに。あゆみちゃんの努力を感じて。ちっとも音をぶらさなかったし、堂々とした歌声だった。王様らしい響きだった。ハロヲタの中には、あゆみちゃんのこと、ダンスはうまいけど歌はもう少し、ってイメージを持ってる人もいるかもしれない。でも、この、毎年毎年進化して少しずつ上手くなっていっている感じに、わたしは心動かされてしまう。この舞台にかける意気込みを感じたし、多分彼女はもっともっと良くなっていくぞ、と思った。今年のあゆみは、すごいぞ。
印象的だったシーン
スネフェル的クライマックスは三つあります。ナイルの死のシーン、ナイルを失った後のメリエト皇太后とのシーン、サリオキスとの最期の対決シーン。ナイルの死のシーンでは客席のすすり泣く声を聞きながらぐっと涙をこらえたのですが、メリエト皇太后とシーンはもうダメだった……。そのあとずっと泣いてた……。サリオキスとの対決シーンはあゆみちゃんがかっこよすぎて泣いた……。
一個一個語り出すととんでもない長さになるので簡単に。
ナイルの死のシーンは鉄板の泣かせシーンなのですが、ナイルを自ら刺したあとの優しくて悲痛なスネフェルの声が本当に切なくて…。ナイルの本心をアンケスエンから告げられた後のスネフェルの慟哭が痛々しすぎて…。ほんとうに辛かったです。
メリエト様のシーンでは(汐月しゅうさんのバリバリの女役は初めて見ましたけど超美しかった!!!)、メリエト様に詰め寄り嘲るシーン、毒で崩れ落ちるシーン、その腕に抱かれて力なく「幸せです」と語るシーン……。抱きしめるなんて簡単なことなのに、なんでそれができなかったのか、と、運命に翻弄されたメリエト様と「親に愛されなかった子」として育ってしまい素直になれなかったスネフェル様のことを思い、胸が張り裂けそうでした。もっと早く、こうしてふつうの親子として触れ合えていたら、なにかが変わったのかな…。
そしてラストの大階段でのサリオキスとスネフェルの対決シーン。またね、サリオキス役の加賀楓ちゃんが、体格もすらっとしていながら骨格がしっかりしてて「男の子!」って感じだったのがよくて。剣道も長くやっていたという流石の剣さばきだし。あゆみちゃんはあゆみちゃんで、あんなに細いのにダンスが得意でしなやかな筋肉もあって。(衣装から出る腕の綺麗な筋肉に惚れた。)昨年も同じシーンを演じていたこともあってあゆみちゃんの殺陣ももちろん素晴らしく。あゆみちゃんとかえでぃーの二人だったからこそ、ずっと目に焼き付けておきたいくらいの名シーンになったと思います。何度でも見たい。
特に印象に残ったキャスト
そしてあゆみちゃんの他に、特に印象に残ったキャストについて書いていきたいと思います。
小田さくらちゃんのナイル
相変わらずお歌がうますぎる。ちょっとした鼻歌ですら美しい。去年ハープの演奏だったシーンがお歌になっていたのですが、この歌声なら楽器なんかいらないよねーという感じ。いつものカッコいい歌声とは違って砂糖30杯入れた紅茶みたいな声音でした。あまあまだった。
野中ちぇるちゃんのイザイ
イザイさんは、昨年のかえでぃーもめっちゃかっこよかったんだけど、ちぇるのイザイもすごくよかった。ちぇるちゃんは背が小さめなので、最初みんなを率いるような迫力に欠けるかなぁ、なんて思ったのだけど、歌が始まった途端にぎゅんって強制的に納得させられた。歌声で捩じ伏せられたって感じ。瞬間的にちぇるの女にさせられた。低くて迫力も艶もある、強い声でさーーー!!!最高だったーーー!!!もっと歌って欲しかったーーーー!!!(殺陣は、今後に期待、かな!)
まーちゃんのジク
まーちゃんのジクが最高すぎた!!!まーちゃん悪者ほんとに似合うな〜〜〜。終始気だるげで、ヒヒヒっとかヒャハハって感じの悪者な笑い声で笑うし、歌のシーンも声が超絶悪かった!嘲笑って感じのニュアンスを常に滲ませながら歌うの、ほんとにすごい。歌のラストの「逃げて!」ってところでまーちゃんがぐわっとこちらに振り向くところ、ぞくっとした。まーちゃんの歌、曲調も最高だったなぁ。和田さんありがとう。まーちゃんが最高に生きる曲を書いてくれて。
ふくちゃんのトキ
ふくちゃんは語りがうまいなぁ、と思ったし、砂漠の鷹軍団の歌の時の旗を掲げた姿は勝利の女神か?と思った。ふくちゃん大好き。
横山ちゃんのルー
よこちゃん超絶可愛かった。出てきて歌い始めた瞬間、なんて可愛らしい子なんだろうかとメロメロになってしまった。スネフェル様のことが自分なりに好きなんだろうなぁ、一生懸命お仕えしてるんだなぁ、っていうのがわかって、もうほんとに可愛かった。しかしかえでぃーと合わせて、13期は本当に推せる。今後に期待しかない。
演劇女子部とあゆみちゃんの今後に期待
以前こんなツイートをしたのですが、わたしは演劇女子部ってハロプロが新規ファンを獲得するための大事なチャンネルだと思っています。
なんか若手俳優畑とアイドル畑の兼ヲタをしてる身としては、もっと演劇女子部という場をハロプロは活用すべきだと思ったりもする。すえみつさんのリリウム以降、正直舞台ヲタクが好んで来そうな演目でやらないなぁという印象。
— スイ (@SUI_meganezuki) 2018年5月14日
新規増やそうとあんま思ってないのかなぁ。リリウムメンバーもそろそろ卒業していくし、そろそろまた本気出して考えるべき時なんじゃないかと思うんだよね。舞台ヲタとドルヲタ、お金の使い方とか、チケット取るハードルの低さとかで重なる部分あるから、ハマってくれたらいいお客さんになると思う。
— スイ (@SUI_meganezuki) 2018年5月14日
たとえばさ、続・11人いる!で西森さん持ってきたのは素晴らしい選択だと思うし、原作もそりゃあ好きだけどさ、あの時すべき選択はほんとうに続・11人いる!だったのか?と思ったりなど。いや、最終的に嫌いではないんだけどさ。舞台ヲタが積極的に観に来そうな演目ではないよねぇ、と思うというだけ。
— スイ (@SUI_meganezuki) 2018年5月14日
どうせなら四谷怪談でもやったらどうか。四谷怪談をオール女子でやるとなったら来る舞台ヲタいると思う。あとさ、オリジナルの脚本。オリジナルものが見たい。
— スイ (@SUI_meganezuki) 2018年5月14日
実際、リリウムを舞台ヲタのお友達に見てもらったら、大体において絶賛なわけですよ。リリウムを見てからハロ現場に来た人もわたしも含めて、たくさんたくさんいる。だから、ファンクラブ先行でほぼ埋まるようなキャパの会場じゃなく、もう少し広い劇場で、舞台ヲタに受けそうな演目や固定ファンがついてる演出家さんにオファーして、舞台ヲタもこちらに引っ張ってきたらいいのにと思います。演技が苦手な子ももちろん中にはいると思うけど、外に出しても恥ずかしくない演技をする子も何人もいるし。
正直言って古典的な少女漫画原作ものが、舞台ヲタにウケる題材であるとも思えないんですよね。もちろん、これまで題材にしてきた作品はいずれも名作で、それ単品では素晴らしいのだけど。彼女らのポテンシャルであれば、オリジナル作品でも演じきれるしお客さんも呼べると思うんだけどなぁ。
そして今回主演でスネフェルを演じきったあゆみちゃん。どうかどうか、こちらの畑に来ていただけないでしょうか。あゆみちゃんを推すものとして、卒業後の進路が舞台女優だったらどんなにいいかと思わざるを得ない。それくらい今年のあゆみちゃんの演技はすごかった。あゆみちゃんだったら、梅棒さんみたいなダンス中心のところと一緒にやるのもいいだろうし、2.5次元だってもちろんいける。夢の続きを、見せてよ。あゆみちゃんを卒業しても追いかけていきたいよー。
感想はこんなところ!今年も楽しみをありがとうございました!来年も楽しみにしています!残る大阪公演も、終わってすぐの武道館2daysも頑張ってください!!
とても面白い原作↓
あまりオススメしない去年のファラオの墓↓
新曲もよろしくお願いします!!↓
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