七転び八起き

ハロプロと、恋人のキツネさんとの同性同士の同棲生活。

パワーを溜めて、飛びつく〜おとなの進路教室より〜

おとなの進路教室という本がある。

山田ズーニーさんという方が、ほぼ日刊イトイ新聞で連載されていたコラムが形になった本だ。
私はキャリアの節目節目にこの本を読み返すのだけど、今日たまたま起こした行動で「まさにこの本でこの間読んだ、あれだ!」とハッとしたことがあった。

 

おとなの進路教室。 (河出文庫)

おとなの進路教室。 (河出文庫)

 

 

3月の初めに、会社を辞めることが決まった。自分でも意外な、衝動的な選択で、しばらくの間オロオロとした。ただ、自分自身を大事にした、良い選択だったなと今にして思う。
 
もうその時は本当に酷い状態で、自分の悪いところ、できていないところばかり目について、自分のことを出来損ないだ、と思ってみたり、死んでしまいたいと思いつめたりしていた。
 
だから、3週間、まずは体と心を休めることにした。
そんな状態で、いい選択ができると思わなかったからだ。
休むってことがよくわからなくて、最初はついつい転職活動をしようとしてしまったり、ソワソワして家にいられなかったりした。
 
そして、3週間かけてやっと、ちゃんと冷静に、考え事ができるまでに回復してきた。
 
そんな中で、今日、ずっと気になってた会社の求人情報が、登録してた転職サイトからふっと舞い込んだ。
ホームページの求人情報ではわからなかったけど、よくよく読んでみると、今の私の経験が充分に活かせそうな仕事だった。
 
即座に、ずっとグズグズして更新していなかったそのサイトの履歴書情報を更新して、スカウトを送ってくれた転職会社さんに連絡を取った。いや、連絡を取ることができた。自分でも、自分の行動力に、びっくりしている。まだ、そんな体力も気力も、戻ってきてないと思ってた。
 
 
思い出したのは、「おとなの進路教室」の、「Lesson5 待つ力」という章。
ズーニー先生が、長く勤めた出版社をやめてフリーになりたての頃の話から始まる。
 
ズーニー先生は、会社を辞めてからうまく社会に戻っていけず、よくアパートの天井を見ながら、じっと耐えるような生活をしていたという。
「心から興味がもてるもの、次のアイデンティティの核となるもの」とまだ出逢えていなかったのだ。
 
絶えず何かやってれば、寂しさは感じなくてすむかもしれない。でも何かで空白を埋めるということは、そこにはもう、他の何かは入れられない、ということだ。〜中略〜1年のうちで何回もない、「これだ!」というものに出逢った時に、むやみな動きで消耗しきってくたくただったら?スケジュールに余白がなかったら?どうやってそこに飛び込んで行けるのだろうか?
心の声にしたがえば、スケジュールに空白ができ、空白の時間は、じっとパワーを溜め込んだ。その状態は、見方を変えれば、いつなんどき「これだ!」というものに遭遇しても、「すぐに」、「全身全霊で」、飛び込める状態でもある。
 

ふと思い出して本を読み返して、この文章が今日の自分と重なった。

 
ここまでの私は、無駄な消耗を防いでじっと力を溜めて、いつでも動き出せる準備をしていたのだなと思った。
本当に、「チャンスは開いた手でしかつかめない」だなと思った。
 
今日、応募することを決めた会社とご縁があるかは正直、わからない。でも、せっかくのチャンスなのだから、全身全霊で、飛び込んでみたい。