七転び八起き

ハロプロと、恋人のキツネさんとの同性同士の同棲生活。

お仕事エリートになれなかった人間の述懐①パワハラ?のこと

電通の過労自殺の話があって、いろいろと考えるところがありまして。もう半年も前のことになりますので、そろそろちゃんと振り返ってケリをつけようと思います。前職のこと。ポツポツと思い出したタイミングで書いていこうと思います。

 

あまりにも話題盛りだくさんな退職でした。

  • パワハラ?な事件もろもろ
  • 長時間労働をやめる自分プロジェクト
  • 未払い残業代を自力で請求
  • 仕事に不適合をおこしてたこと
  • でも、とんでもなく成長してしまったこと

などなど。テーマを分けるつもりですが、全部絡み合っていて、同じようなことを何度か書いてしまうかもしれませんが、ご容赦ください。

 

今日はパワハラ?のことを中心に。

 

前の職場は、プロ意識のありすぎるくらいある職場でした。

前の職場は、すごく小さな会社なんですが、プロ意識のかたまりみたいな人ばかりの会社でした。新卒で初めて入った会社が大学のサークルっぽいノリの会社でしたので、入社早々に衝撃を受けました。

仕事の基準が、ものすごく高いんです。例えば、資料の印刷の仕方。お客様用のものは見やすいように片面カラー印刷。ホチキスは斜め45度か平行で、ちょっとでもずれたらやり直し。まあ、こんなのは日系の大きい会社なら当たり前かもしれません。でも、こういうことを、あらゆる場面で、お客様の立場に立って、いろんな角度から何パターンも考えて全ての準備をするんです。

メールの書き方、エレベーターの乗り降りの仕方、資料の作り方、言葉の選び方、客先でのふるまい方、関係会社の方との関わり方…。あらゆる観点で、わたしはその会社の基準に達していませんでした。すごく、人を育成するモチベーションのある方が多いんです。なので、あらゆる観点で、行動を直されました。

初めは、ああ、わたしってなんにもできなかったんだな、と愕然としました。次に、恐怖しました。わたしは間違ったところに来てしまったんじゃないか。とても追いつける気がしない、と。でも、憧れてもいたんです。

 

わたしに恐怖を植え付けた上司

はじめの上司は、やり方がわたしには合いませんでした。人に言わせれば、「パワハラ」で「セクハラ」。怒鳴ったりもする人でした。よく先輩が「あの人は怒るって決めた日はとことん怒るから」と諦めた暗い顔で言っていました。

「一事が万事だからさ(こういうミスをひとつするってことはお前は他の面でもダメ、直せ、という意味)」「だから俺がいつも言ってるだろ(俺がいつも言ってやってるのにやらないお前はダメ、という意味)」って、ちょっとしたことでも言われ続けました。そうしてるうちに、わたしはどんどん自分がダメな存在に思えてきて、彼を無条件に信じて、彼のいうことをまず忠実にやろう、自分で考えて何かするなんて基本がなってないわたしにできるはずがないっていう思考になっていきました。

でも、わたしは彼じゃないから、全ての面で彼の望むように振る舞えることはなくって。彼は彼で、悪気なく、「俺と同じようにやっていたらできるようになる」って思っているから、いつまで経ってもそうできないわたし(と、ほぼ同じ状態の先輩たち)に対して、毎日のToDoレベルで管理するようになっていきました。

その頃のわたしを、彼女はよくDV夫から人格否定されても離れられない女みたいって言っていたのですが、今思えば、確かにそうです。ずっとダメ出しされ続けて、自分はダメだって思い込んでしまってて、そんなときに彼は言うんです。「お前はいまはできないことも沢山あるけど、大丈夫。俺についてきたら絶対仕事できるようになるから」って。そうしてすがるしかなくなって、自ら彼に管理されに行っていました。

特に、わたしはこれまで、大きな挫折をせずにここまできてしまっていたから、自分がこの会社や上司の指導についていけないってことが本当の意味では受け入れられなかったんだと思います。だから、逆の方向に一気にふれてしまって。この人の言うことを忠実にやったら大丈夫、だってわたしができないはずないって、そう思ってしまってたんだと思います。

 

二番目の上司

でもとうとう、耐えられなくなって。体重がすごく減って、本を読んでも頭に入ってこなくて。感情の起伏もちょっとおかしくて、誰と話しててもふとしたきっかけで泣いちゃうんです。仕事場で泣くなんて、ありえないと思ってたのに。

辞めますって、さらに上の上司に伝えました。少し前に先輩も体と心がおかしくなって辞めてしまってたので、事態を重くみた経営陣は、その上司を外し、隣の部署の上司がわたしたちの上司になることになりました。

でも、そうやって刷り込まれた恐怖心って、すぐにはなくならないもので。新しい上司でも不機嫌そうな雰囲気を感じ取ると一気に体が緊張しますし。「こんなこと、自分で考えて、言ってもいいの?やってもいいの?」って疑心暗鬼になって動けなくなることもしばしばありました。

その後、半年以上かけてなんとかかんとか、ふつうに考えて、ふつうに働けるようになったんですよね。そう、思ってたんです。でも、次の上司との間にも結局いざこざが起こって。感情的に多分お互いの間に少ししこりができてしまって。その頃、わたしが、ミスをしたんです。お客さんに迷惑をかけるような事柄じゃなくって、社内ごとだったんですけども、新しい上司のめちゃくちゃ高い「仕事の基準」にやっぱり合わないことをやらかしてしまって。反省文を書かされたんです。でも、「違う」って言って突き返されて、何度も何度も提出して。でもどう書いたらいいのかは絶対に教えてくれないんです。自分で考えろって。

そうしてるうちに、前の上司の頃と全くおんなじ気持ちのあり方に逆戻りしてしまったんです。ずっとずっと、自分がいかにダメかってことを反芻してるような状態。ああ、傷が治ってないんだ、と思いました。つらくて、この程度のことでへこたれてしまう弱い自分がすごく嫌で、死んでしまいたくなりました。それで、辞めることを決めました。

 

結局のところわたしは諦めたんです。理解しようとすることを。

人はこれらの一連の話を、パワハラだって言います。なんて酷い会社だって。わたしも、そうかも、と思いつつ、未だに時々、ほんとにそうだったのかな、あれはなんだったんだろう、って思います。だって彼らは真剣なんです。パワハラする側にはその意識はないってよく言いますけど、本当に多分、そうなんです。悪気があるわけじゃない。じゃあ完全に受け取り側のわたしの問題なのかっていうと、それだけではないようにも思います。

でも、「あれはなんだったんだろう」って思う時点で、考えることは放棄してるんですよね。

人間関係の終わりって、わたしは、理解しようとすることをやめることだと思ってます。逆の言い方をすると、人間は、わからなくてもわかりあおうとすることが大事だって普段は思っています。でも、わたしは、あの会社で起こったことや二人の上司のことを、理解しようとすることを諦めました。諦めて、とにかく離れようと思いました。

そのことについて、自分をダメだと思ったこともありましたけど、今はふつうです。諦めることで、自分を守ったんだから、それでいいやってどこかで踏ん切りがついたんですよね。ああ、諦めちゃったなぁ、って、ふつうに、受けとめることができるようになりました。離れて、距離をおいてその事実を眺められたからこそ、ダメな自分も、あの会社に適応できなかった自分もひっくるめて、ようやく受け入れることができた感じです。

 

捨てる神あれば拾う神あり。違う原理で動いている組織や職種は、ある。

 その後転職先はわりとすぐ見つかって、行ってみたらもう前の会社が嘘だったみたいに、大事にしてるものとか、仕事の基準とかが違うんです。ホチキスどめの場所でとやかく言われることはないし、紙が勿体無いのでお客さんに提出するものでも両面印刷オッケーです。見やすければそれでよし。

すごく息がしやすいです。その上で、前の会社で幸か不幸かすごく苦労をして、そのせいでいつの間にかわりと成長していて。前の会社ではダメダメでしたけど、今の会社では幸いにも重宝してもらっています。これはまた別の記事で書きますけど、残業もほとんどなくなりました。前の会社にいたら超仕事できるエリートになってたかもしれません。そこからはドロップアウトしてしまいましたけど、自分に合った場所にいられているなという感じがするので、もう全然、いまが幸せです。

 

得たもの。逃げてもいいんだ、ってこと。

結論、わたしは、これらのことから、逃げてもいいんだってことを学びました。心や体を壊してまで頑張らなくても、どこかに自分に合った場所がきっとあるんです。渦中にいると、全くそうは思えないっていうのも知ってるから、歯がゆいんですけどね。でも、そういう時ってきっとどこかしら、誰かしらが「逃げちゃえば」「そこまでしてやらなくてもいいよ」って、言ってくれてるものなんですよね。自分でもそういう情報を集めにいってるんです。少なくともわたしはそうでした。ちょっとだけ、そう言ってくれてるひとと、自分のことを信じて、逃げてみたら変わることもあるなぁって思います。

だから、読んでくれてる人の中に今つらいひとがいたら、とりあえず逃げてみたら、息がしやすくなった人もいるよってことを頭の片隅に置いておいてもらえたらな、なんて思います。僭越ながら。

 

そんなわたしがめっちゃ病んでたころにめっちゃ読んでた本を紹介して、今日は終わります(笑)これもまた、少しだけ逃げる原動力になりました。

日本に殺されず幸せに生きる方法(あさ出版電子書籍)

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