七転び八起き

ハロプロと、恋人のキツネさんとの同性同士の同棲生活。

【観劇感想】THE CONVOY SHOW asiapan

「死んでもいい」と思える舞台、コンボイ

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vol.32『asiapan』 | THE CONVOY SHOW

見ながら「今死んでも悔いはない」と思える舞台に出会ったこと、ありますか。わたしにとってそれは、THE CONVOY SHOWです。昨年初めてコンボイに出会ってから、すっかりハマってしまいました。

 

昨年の記事はこちら。

 

何がそんなに素晴らしいかって、歌とダンスと芝居、どれをとっても下手な人がいないこと。誰が歌っても音程を外す人も声ちっさい人もいないということがどれだけストレスないか!どこを見てもダンスがキレキレでカッコイイっていうことがどれだけ幸せか!コンボイのオリジナルメンバーは全員50代オーバー。この業界で長くやってきた彼らだからこそ出せる熟練の技が光ります。今回はオーディション経由の若手4人が加わっての新たな形の舞台でしたけれど、若手も含めて、全員が、さいっこうにカッコよく、さいっこうにプロでした。

そして、コンボイの素晴らしさのもう一つは、世界観だと思っています。演者でもあり演出家・脚本家であるねずみさんの作る、世界観。スタイリッシュさと自問自答し続けるような人間くささが同居するあの不思議な世界観、大好きです。それはストーリーだけではなくって、選曲や、歌やダンスの挟まるタイミングや、照明や、そういうものすべてがかたち作るものなんですよね。すべてに、センスを感じます。ずーっと浸っていたくなります。

見ている時は幸せすぎて「もう今死んでも悔いはない」って思うし見終わったあとはなんだか元気が出て「よーし、明日も頑張るかー」って気持ちになれる。わたしにとってコンボイショウってそういう舞台です。今年も見られてよかった…。毎年やってほしいです。

 

ここから、ネタバレありのお話面の感想に入っていきます!

 

ストーリー

今回のストーリーは、アジアの遺跡のある街を舞台に「sweet home SAKURA」っていうゲストハウスで出会う人々の話です。そこに集まった人はたまたま、日本人ばっかり。みんなそれぞれの人生を抱えて、そこに集まってきます。

こういうお話すごく好き!本来会うはずのなかった人たちが旅を通じてほんの少しの間だけ一緒に過ごして、なぜかその人たちには普段隠している心も見せられてしまう、みたいなの。

ゲイの野口さん(舘形さん)と、家族持ちでトラブルメーカー?の愛川さん(瀬下じゅりさん)は幼馴染の二人旅行。愛川さんは野口さんに話したいことがある様子。野口さん、登場シーンから過剰なくらいのオネエ感でびっくりしてしまいました。愛川さんの旦那感もすごくって最初ゲイカップル旅行?って一瞬思ってしまいました(笑)

そしてひとり旅組の三人は、旅行雑誌の記者植村さん、(トクナガさん)、早期退職男一人旅の渡瀬さん(サムさん)、舞台関係の仕事で「探し物を」しにきた広村さん(黒須さん)。一人一人個性的で楽しすぎます。トクさんは常にスタイリッシュで旅慣れてそうな感じだし、サムさんは最初出てきたときどピンクのパーカーにジーンズが似合っていてカッコイイわ可愛いわだし、黒須さんはいっつも自撮りしててなんだか面白い。黒須さんの自撮りにいろんな人が勝手に写り込んじゃうの可愛くてすごい好きだったなぁ!

ゲストハウスのオーナー山田さん(今村ねずみさん)はこの国で暮らし始めてなんと30年!最初に出てくるシーンでは英語を喋っているのにいきなり日本語でキレて仕切り出すの楽しかった!ぷりぷりしてるねずみさん、可愛い!

若手四人はゲストハウスの従業員役なんですけれどみんな常にキャッキャしてるし元気だし、愛川さんに「アイちゃーん」ってなついてるの可愛かった!

最初バラバラに見えた旅行者の四人が、遺跡に心打たれて呆然としながら帰ってきて、打ち解けていく様がなんだか素敵でした。こういうの、あるよな、と。立場も年齢も違っていても、それまで赤の他人だったとしても、同じ体験をして共通する感覚を持って、一気に親しくなるっていうこと。旅ってこういうことがあるからいいなって思いました。

たまたま出会ったみんなが、ゲストハウスの現地の人たちも含めてみんなで力を合わせて仏像を起こそうとする、その姿もすごく良かったです。特に野口さんなんて、そういうの嫌がりそうなのにね。旅ってすごい。

そしてゲストハウスの従業員が問いかける『なんで日本人はなんでも持っているのに、みんな幸せそうじゃないの?』って言葉は、考えさせられました。確かに、みんな下を向いて、憂鬱そうにしているのは、なんでだろう。自分の住んでいる国を誇れる気持ちにとてもならないのは、なんでだろう。忙しさの中で、そこにある幸せを見つめることをどこかに置いてきてしまっていることも、あるかもしれません。でも、それだけじゃないような気もします。わたしの中で、まだこのことには答えが見つかっていません。少し考えてみたいテーマです。

ラスト、旅を通じてみんなが自問自答して、自分らしい答えを見つけて、内面の声を叫ぶシーンはなんだか感動的でしたし、本当の最後の最後にみんながニコニコしながらロビーを出て行ったり、くつろいだ様子でそこにいる姿は、観ていて幸せでした。わたしも旅をしたい、と思いました。旅って外にあるものを見ているようで自分の内面にあるものを見つめざるを得ないようなところがありますよね。そういう旅の不思議さ、素敵さの詰まったストーリーでした。

 

まさかのカミングアウト話

舘形さんはよく他の舞台でもゲイの役や女性役をやっているので今回のゲイ役も「お約束」感はありました。でも舘形さん演じる野口誠の親友、愛川さんの「カミングアウトしたんだ」の言葉には心臓がきゅっと縮み上がるくらいびっくりしました。でも愛ちゃん本人がかと思ったら息子さんのことでした…。

同性パートナーがいてカミングアウトしていないわたしとしては、カミングアウトされてオロオロする父親、愛川さんの姿も胸に来たし、相談されて答える誠さんの言葉には思わず泣いてしまいました。台詞を正確に覚えていなくて残念ですが、「ショウタくん、立派になったね。自分に正直に生きるって大変なことだもの」っていうようなことを野口が答えるんです。そうだよなぁ、って。

自分で自分のことって一番わからないし、でも、考えて感じて出した結論を人に伝えるのは、本当にこわい。実の親にだって、拒絶されるかもしれない。それでも自分のことをちゃんと話せるのは、すごいことだと思いました。わたしはまだ親にはカミングアウトしていませんが、友人や仕事関係の人に話すハードルを超えてきて、こうやってブログで自分自身の性的指向のことを話してきて、そんな自分を舘様に認めてもらったような気持ちになりました。普段からちょっとオネエっぽい舘様にしかできない役だったと思います。舘形さん、この役を演じてくださって、本当にありがとうございました。(役が相変わらず笑われる存在としてのゲイであったことはちょっとモヤるけど)

 野口さんは最後ぜーんぶ服を人にあげちゃって、現地で買ったラフなシャツとパンツ姿になるんですけれど、あれもよかった。自分で守ってきたなにかを脱ぎ捨てて、心まで身軽になったように見えました。ゲイとして生きてきて新宿にお店まで持つ過程で身につけた、あの派手なお洋服とかオネエ口調とか仰々しい仕草は、きっと、自分で自分の心を守る武装だったんじゃないかなぁ、なんて妄想してしまいます。自然な彼自身に戻って、生き生きとしだして、そこにしばらく残ることを決意した彼はなんだか楽しそうで、こっちまで楽しい気持ちになりました。

 

コンボイ オリジナルメンバー

さて、ここからは各キャストさんのことを。コンボイショウの好きなところは後半にショウタイムがあるところ!あのダンスも歌も上手すぎなメンバーの本気パフォーマンスをずーっと見ていられるという幸せさ!

特筆すべきはサムさんの脚の細さとなんだかよくわからないフェロモン。髪の毛少し短くされて、踊りながら髪の毛バサーってやるのがめちゃかっこよかったです!あとサムさんはフリが大きいから、ラストの曲の茶色のテロテロしたスーツの赤い裏地がチラチラ見えて、ときめきました。

黒須さんは上手い、の一言に尽きます。ダンスはあんなに背が高いのになんだかぬるっと動くし、歌わせたら抜群の安定感。ラップがうまい!すてき!

そして舘様。舘様はほんと指の先まで美しい。大好きです。くるって振り返る時あの大きな色っぽい瞳で客席をぐって見つめてくるところとか(目力!)、ちょっとした顎の上げ方、瞼の伏せ方、すべてが美しかったです。後半のタップダンスの曲の時に若手四人が横で踊る中で一人スポットライト浴びて踊るやつがもー好きで好きで。もう一回見たい。

わたしはトクさんと舘様を対照的だなって思うんですけれど、舘様はわかりやすい華やかさで、トクさんのダンスはすごくスタイリッシュで余計なもののすべて削ぎ落とされた綺麗さなんですよね。舘様が極彩色の生花なら、トクさんはモノクロ写真に写った花って感じ。素敵でした。

ねずみさんは、なんだかいつも可愛いんですよねぇ。定番の顔ちっちゃいイジリを今回もされていましたね。でもダンスはキレキレ。噛めば噛むほど味が深くなる感じの素敵さでした。役柄的にも語りが多いんですが、ねずみさんの語りはなんだか心地いいんですよね。好き。あと、僧侶姿にびっくりしてオペラグラスでじっくり見てしまいました。今回のテーマともいってもいい『What is your motto?』の問いはわたしにも突き刺さりました。

じゅりさんは、じゅりさんほどポロシャツの似合う人はいないという感じ(笑)そして相変わらずの面白さ。猪木の真似して若者と戯れてるの可愛すぎました。ダンスや歌のシーンはなんだかよくわからないんですけれど彼のことをついつい見ちゃうんですよね。オールラウンダーな感じがして、これがすごい!っていうのが一言では見つからないんですけど、なんだかへんな魅力があります。じつは髪型も好きです。そのせいかもしれません。序盤のたけるさんとのタップダンス対決シーンはすごくよかった!燃えました!そしてさらに、終盤のタップダンス曲では掛け声で盛り上げてくれるのが好き!ってなりました。

 

若手四人

ごめんなさい、まだ顔と名前が全員一致していません。でも今日名前を覚えたので明日はしっかり見てきたいと思います。

Club SLAZYでその存在を知った後藤健流さん。たけるさんほんと楽しそうに踊るんですよね。特に後半のタップダンスの曲。頭振り乱して、ニッコニコしながら踊っていてついつい目を惹かれてしまいました。たけるさんはやっぱりすごいなと思います。ダンスでは誰よりも目を引くキッパリした動きです。そしてクルックル回る。回転速度がものすごいです。そして、たけるさんが後ろ向いて腕を上げる時の方から腕のラインなんかも完璧で、見惚れました。コンボイに使われている曲って長めで、間奏が入るっていうか、静かなパートが一回ははいる気がするんですが、その時の腕の止め方とかゆっくりな動きも、素敵。歌もうまいんですよねー。

これは勝手な想像ですけれど、たけるさんって2.5次元や若手俳優がたくさん出る舞台に色々と出ますが、たけるさんが一番ダンスがうまいみたいな場が多かったんじゃないかと思うんですね。で、やっぱりダンスや歌よりも芝居のパートが多かったりとか。出る人数も多いから常に見られているわけでもなかったり。でも、コンボイは『全員が主役で脇役』だし、全員がものすごく上手いし、すごい数の曲をがっつり歌って踊るので、たけるさんのポテンシャルが全開になるような場だったんじゃないかなぁと思いました。だからあんな風にすごくすごく楽しそうに踊るんじゃないかなって。こんな場を用意してくれたねずみさん、本当にありがとうございました、っていうなんだか親のような気持ちで見守ってしまいました。

そして佐久間さん!わたしが四人のメンバーの中でたけるさんの次に目を惹かれたのは佐久間さんでした!すっごい踊れますよね。そしてすっごい動きが綺麗。まだうまく言語化できていませんが、ぬるっとしていて、静かな感じ。立ち姿もなんだか色気があって、好きだなーこの子って思ってしまいました。礼生くんは笑顔がめっちゃ可愛い。明日はもう少しみんなの見分けがつくようにじっくりお顔を…!見ます!

 

まとめ

すっごく楽しかったし元気出た舞台でした!ほんとチケット二枚とっておいてよかったです!明日の夜も、コンボイでしか感じられない幸せに浸りに行きます。本当に、DVD化してくれたらいいのになぁ!

 

コンボイ、気になってるけど見に行けてない方、是非当日券狙ってみてください。後悔しないと思います。

そして黒須さんのブログの動画がみんなキャッキャしてて可愛すぎるので、こちらもぜひ。若手四人は最初、ふざけまくるおっさんたちのノリについていけず困ってたみたいですけど、だんだん打ち解けてはっちゃけ始めるのがなんだかいいです。

http://www.convoy.ne.jp/party/contents/xross/

 

明日の夜も見にいけます。チケット二枚とっておいてよかった〜。

ではまた!