性指向と性指向アイデンティティ
最近の関心事。
最近こんな本を読んでいます。
セクシュアル・マイノリティへの心理的支援―同性愛、性同一性障害を理解する
- 作者: 針間克己,平田俊明,石丸径一郎,葛西真記子,古谷野淳子,柘植道子,林直樹,松?由佳
- 出版社/メーカー: 岩崎学術出版社
- 発売日: 2014/08/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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LGBTsって、メンタルの病気になってしまったり、恋人に過度に依存しちゃう人が多いよなーと思って読み始めました。(そして読み終わる前に図書館の返却期限が来たので近いうちに購入します。)
その中で、直接この本の主題には関係しないのですが、「LGBTsとは」という定義を改めて確認する章で、「性的指向」(誰を好きになるか)と一般に言われているものは、「性指向」と「性指向アイデンティティ」のふたつに分けられるということを知りました。
性指向と性指向アイデンティティとは
2009年の米国心理学会の大会において発表された報告書で提唱された概念らしいのですが、簡単に言うと、「性指向」は恋愛感情や性的な欲望の話で、「性指向アイデンティティ」は自分がそれをどう受け止めて、どう生きていきたいか、ということみたい。
一部抜粋・要約で、もうちょっと難しい言い方をするとこんな感じ。
性指向アイデンティティとは当事者が自らの性指向をどのように受け止め、どのように内在化するということである。
誰とセックスするか、どのコミュ二ティに所属感を抱くか、どのようなライフスタイルを選択するかなどが当てはまる。
性指向とは相手の性別や性的特徴に基づいて、個人が他者に対して抱く性的かつ情緒的な興奮・欲求のパターン。恋愛感情を伴う。意識的な選択を超え、恋に落ちると表現されるような深い情動体験や愛着を伴う。
自分に当てはめると…
自分にこの概念を当てはめてみると、
- 性指向 = バイセクシュアル
- 性指向アイデンティティ = レズビアン
ってことだな!と思いました。ちょっとスッキリ!
過去に好きになった人や俳優さんに対する感情を思い返してみても、男も女もわりと平等に好きになるんですよね。性自認がXな方に恋したことはまだないけれど。男、女については、そんな感じ。男女それぞれに好みのタイプってものもあるし。
でも、今の恋人とはずっと付き合っていきたいし、この先万が一、今の恋人と別れたとしても女の子との出会いを求めると思う。それは、女の子と付き合うってことを、敢えて選択している。男性と付き合って、結婚して、みたいなライフスタイルに惹かれない。そして、過去のわたしの女の子と付き合ってきた歴史が「なかったもの」みたいに見えてしまうことにも耐えられない。(バイは男と付き合ってればノンケと見られてしまう。どうしても。)
ずっとね、このことにはモヤモヤしていたんです。だってさ、女の子同士の出会いイベントに行くと「バイはないわー」とか言ってる人が結構いるんですよ。こうやってブログ書いたりして発信する上でも、プライベートでカミングアウトする上でも、「ビアンです」っていうほうがわかりやすいし。バイっていうと、絶対、それはいつか男性と「ふつうに」結婚する可能性もあるんでしょ?って絶対思われる。
でも、ビアンだって名乗るのも、それはわたしの真実ではないから、モヤモヤする。
そんな気持ちを、性指向とアイデンティティを分ける、っていう考え方が「そういうあり方そのままでいいじゃん」「場によってバイとかビアンとか好きに名乗ったっていいじゃん。だってどっちもあなたの要素だもん」って許してくれたような気がしました。
概念は万能じゃないけど役に立つ
「LGBT」という概念が全てのセクシャルマイノリティ・ジェンダーマイノリティを包括しないし、「セクシャルマイノリティ」って言葉を嫌と感じる人もいるように、概念って万能じゃない。性指向と性指向アイデンティティの考え方がしっくりこない人もいるかもしれない。
性も性的指向もグラデーション。型にはまらないひともいる。揺らぐこともある。
でも、こういう概念を知ることで、自分を定義できて安心できたり、自信を持って「わたしはこうだ!」って言えるようになることもあるから、知ることって大事だなって思いました。