未だにごはんを作るのは女の役割である件
英エコノミスト誌の「ガラスの天井指標」最新版によると、OECD諸国を中心とする29か国中、日本の女性の働きやすさは韓国、トルコに次いで、下から3番目。
— makiko shinoda 篠田真貴子 (@hoshina_shinoda) 2016年4月14日
指標の示し方が抜群。指標を構成する10要素...https://t.co/WTGlrjOKqq #NewsPicks
こんな指標が出たみたいですね。女性活躍推進の仕事に一時期関わっていた身としても、いち女性としても、さもありなんという感じ。日本の指導的立場にいる人は、本当にこの状態を恥ずかしいと思ってほしい。
女は飯炊きが仕事なわけではない
この記事を見てふと思い出したのだけど、何年か前にこんなことがあった。ある40代男性が、その部下である結婚したての男性社員に「嫁にはごはん作ってもらってるの?」と聞いたのだ。その社員は、「あんま得意じゃないみたいで、そんな作ってないですね」と返した。「ダメだろ、それ。新婚だろ?(妻の側が)愛情あんの?」と40代男性は返した。
私はこの会話に、違和感しか持てなかった。
なんで前提が、男女カップルであれば妻がごはんをつくることになっているのか。別にごはんを作るのは妻の仕事であるとは限らない。男が作ったってなんら問題はない。
そして、その新婚の男性の妻も、同じく会社員だった。普通に働いてたら毎日ごはん作るのはとても大変。それに、自炊が得意じゃない人だっている。それを、「愛情がない」って言うのは、なんなの?
40代から50代のバブル世代前後の男性で、専業主婦の妻がいて、自分は夜中遅くまで働いたり飲みに行ったりして、家に帰ればごはんがあるっていう生活をしてきた人が、今の管理職の大半を占めている。そういう生活をしてきたから、あんな発言が出てくる。定年がどんどん延長になるこの時代だから、彼らはあと少なくて10年、長くて25年、管理職のポストに居続ける。
もう、絶望しか感じない。管理職は組織風土や働きやすさに大きく影響を及ぼす。私たちが働き盛りである間、ずっとそんな人たちの下で、働かねばならないのだ。
男が変わらずに女が変わると思ったら大間違いだ。
北欧では、男性も女性も定時に仕事を終わらせて走って帰り、家族との時間を過ごし、たくさんの男性がベビーカーを押して歩いていると聞く。
日本人の男性の価値観も、若い人は随分と変わってきていると思うけれど、まだまだそこまでは到達していない。低い男性の育休取得率がそれを物語っている。
ここ数年の女性活躍推進ブームで、家事も育児も妻任せの生活の仕方をしてきた男性が、今私たちに、「仕事も家事も育児も」と求めてくることには、理不尽さしか感じない。
もちろん女性管理職が増えることも、男女の勤続年数差が縮まることも、女性採用数が増えることも、大事だよ。頑張りたい女性が頑張れることは、いいことだ。
でも、こうも思ってしまう。
女性が働いてくれないと困るから、管理職目指せって?可能な限り長く働き続けろって?そんなの、「お手伝い」じゃなくて、自分の責任としてみっちり家事も育児もやってから言えと。女性が男性の三倍頑張らないと評価されない仕組み作ってんのは、誰だよと。
でも、大変なのはどっちも同じ。女性も男性もひとしくパワー出して経済回して、今後の日本を支えるために子供産んで欲しいんだったら、一緒に変わろうよ、って私は思う。
高みの見物決めてないで、こっちに降りておいでー!