七転び八起き

ハロプロと、恋人のキツネさんとの同性同士の同棲生活。

懲悪バスターズ 観劇感想

懲悪バスターズ見てきたよー!

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佐野兄弟のエンタメ志向の舞台好き。気楽で見やすくて面白い舞台でした。
ネタバレありの感想です!

ストーリー

思わずクスッと笑っちゃう悪霊たちの騒動記―――。間もなく真夏を迎える大都会の片隅で、今日も今日とて悲鳴が響く。毎夜毎夜続く悲鳴の正体は、悪霊たちによるイタズラのせいだった・・・!?そんな中、悪霊退治に立ち上がったのは、ある一人の天才科学者!――人間(天才)vs悪霊(落ちこぼれ)――悪霊(落ちこぼれ)たちが巻き起こす、なんちゃってポルターガイストに人間達の背筋が凍る・・・のか!?悪霊も天才も踊り狂う!サイエンス×ホラー×アクション活劇!!
(WBBホームページより引用)

でもこのストーリーと全然イメージ違った。だって天才科学者がすぐ自分の発明品で妖怪になっちゃうんだもの。楽しい!

人間嫌いで変わり者の天才科学者が、悪霊の「おどかしや」だと勘違いされて悪霊たちと仲良くなっちゃうという設定がもう楽しくてかわいい。普通に振る舞ってるだけなのに悪霊たちに「さ、さすがプロのおどかしやだ」「なんかよくわかんないけどすげぇ!」「パネエ〜」って驚かれててとても面白かった。そして一緒に過ごすうちに育まれる友情ね!異種間友情とてもたまらない!

きっとさー、仲良くなる前の悪霊と人間みたいに、お互いのこと知らないのにビビって、だからこそ排除しあうことって、普通に起こってるよね。わたしが関心ある、セクマイとマジョリティもそうかもしれないし、外国人との関わりあいや、男女や、年齢の違いや。でも、主人公の天才科学者、舘合さんはなにより、知ることと、興味を持つことを大事にしていた。それが普通の人間関係でも大事なのかもなぁ。

とにかく楽しい舞台だけど、そういうメッセージが押し付けがましくなく、さらっと入っててあとでふっと思い出して考えさせられるようなところも好きだ。


悪霊がとにかくかわいい


キャラクターで言えば、とにかく悪霊が可愛い!

・レイヴン
田村亮さん初めて演技を見た。
まじめ可愛いキャラで真面目さが面白かった!館合さんに裏切られたと思った途端すごい不機嫌になったりするの、とても人間らしい。

・アミット
パラノイアサーカスから気になってたしょごたん!今回もとっても素敵だった。彼はほんとに声がいい。会場中に響き渡るいい声。衣装も仕草もピエロっぽくて、今どきのちょっとヤンキーな子みたいな喋り方する。逃げる時「ひぃぃぃ!」とか「うぉぉああ!」とかすごい面白い声出してブルブル手や体を震わせる。いちいち可愛い。ダンスもキレキレなんだけど悪霊らしくクネクネもしてるし、表情もこわい。ほんとすごい。ますます好きになってしまった。

・モイモン
振り付けもやってるモイモンさん。すごい踊れる…。最初の悪霊ダンスの一人ダンスシーン、すごく綺麗だった。憑依がほんのちょっとの時間しかできないのだけど、最後の方の殺陣シーンでは、いろんな人に乗り移って敵を同士討ちさせて、ものすごい活躍だった!彼のちょっと不思議ちゃんなキャラ、とても好き。

・ススス・ムシュフシュ
もうねー、彼もすごい好き。吸血鬼みたいな、黒い羽が生えてて、青いジャケットに白のフリフリシャツのお上品な見た目。なのにとにかく卑怯。教官へのごますりがものすごいし、笑えるくらいコロッコロ寝返る。学校出たばかりで、偉そうにしてるのに最初は指ぱっちんのラップ音しかできない(笑)
でも、彼も戦いに巻き込まれるうちにたくましくなって、ラスト殺陣シーンでモイモンと戦う頃には床をギギギーってやってすごい音だしたりできるようになる。なぜかラップ音が途中からロックな音楽になってエアギターで舞台上をノリノリに駆け回るのは笑った。ほんと好きや。

そんなこんなで、この四人のワチャワチャがすげー可愛いのよね!モイモン抜きの三人で客席降りするギャグシーンも、二階からで全然見えなかったけどすごいかわいかった。みんなが見えなくなる術を使おうとするのだけど当然ながら全員できてなくてワチャワチャするという。お客さん一人立たせて客席に収まって消えたふりするという。かわいすぎか。

ヒールな社長もなんか憎めない


悪霊退散ロボット、オーメンであくどい商売をする恋塚社長。わたし、彼も大好き!動きと喋り方がとても面白い!部下への指示の仕方一つとってもいちいちオーバーリアクション。捕まえたモイモンを虐める時も部下にすごいドSドS言わせたりとか。オーメンに「GO!」とか「オーメン、オーメン、こっちこっちこっち。そうそうそうそう!」みたいに指示してるとこもすごい面白い。言うこと聞かないけど可愛く思ってる犬に対するみたいな態度(笑)

最後、オーメンが壊れちゃった時もワンワン泣いてて、部下に励まされて「みなさん、今日も頑張りましょう」って泣きながら言っていて、ほんっとかーわいかったなぁ。

なーんか彼を含めた悪役のみなさんも、憎めなくて、どこかかわいかった!

ダンスも衣装も殺陣も派手!でもなぜかほのぼのする。

ダンスも衣装も派手派手だし、殺陣もすごいし、スピード感もあるし、すごーく楽しいのだけどなーんかほのぼのして気持ちがあかるくなる舞台だった。疲れてる時に見たい感じ(笑)

多分それは、登場人物がみーんな、すごく人間らしくて、愛に溢れてて、どこか可愛らしいからだと思うんだ。

レイヴンの最後の決断に、あのいつもおっきい声出してオーバーリアクションするアミットちゃんが「まじかよ…」って小さな声で呆然と呟き、笑い声がいつも感情こもってなくてちょっとこわいモイモンがすごく気持ちのこもった声で「すごいね」って言うシーン、とても好き。友達を想う、愛が溢れてるなーって感じる。
失敗してワンワン泣いてる社長を慰める部下たちにも、とても愛情を感じる。

人間っていいなぁ。ともだちっていいなぁ。みんなが愛しくて、つい買わない予定だったパンフレットを買ってしまった(笑)

また佐野兄弟の舞台、見に行きたいなぁ。